リ・バランス ― 2026年に向けた再保険市場の転換点

2025年は世界中の経済構造と政策課題を再構築し、(再)保険業界にも重大な影響をもたらしました。

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2025年はグローバルなリスク環境において大きな構造変化が生じた一年

戦争、破壊行為、再軍備、ポピュリズム、保護主義といった「従来型」のリスクが、急速な技術進歩と相互作用しながら再び台頭してきました。 また、為替変動、インフレ、金利、財政健全化(あるいはその遅れ)といった要素も再び注目を集め、地域間の差異はこの1年で一段と拡大しました。

世界経済は、大きく変化する中にあって低成長ながらも安定した推移を見せていますが、弾力性と脆弱性を併せ持つこの環境は、企業にとってリスクと同時に、新たな商機をもたらしています。 資材や資本コストの高止まり、貿易構造の変化、安全保障上の脅威の高まり、そして巨大テック企業やAIを中心とした技術革新が投資を促し、リスクに対する認識そのものを変えつつあります

1.1.26 マーケットレポートの主なポイント

2025年は、マクロ経済および地政学的要因が重なり合い、グローバルなリスク環境における構造的な変化が明確になった一年でした。

リスクが高まる局面では、(再)保険ブローカーや保険会社が自らの価値を発揮し、拡大するリスク需要に応える機会も同時に広がります。高度なリスク移転の知見に支えられれば、ブローカーのクライアントである保険会社や再保険市場は、変動の激しい環境をたんに乗り切るだけでなく、急速に変化する環境の中で新たな商機を捉えることが可能になっています。

1. 競争環境の激化により、料率は低下傾向に

2026年1月更新では、再保険市場の多くの分野で料率が低下しました。主要な保険種目の価格水準は、約4年前の水準に回帰しています。一方で、免責額の引き上げや引受条件の引き締めといった動きも見られ、市場全体はより選別的な局面へと移行しています。

Source: Howden, NOVA

2. 主要な財物保険で料率低下が加速

2026年1月更新では、想定を下回るコストで主要プログラムの手配が完了し、引受も堅調に進みました。その結果、一部の保険会社は自己保有額の管理や損益ボラティリティの低減を目的に、追加補償を確保しています。また、他の保険会社では、削減できたコストを活用し、2026年前半にさらなる補償の購入を検討する動きも見られます。

Risk-adjusted rate change at 1 January 2026

-14.7%

Global property-catastrophe

-16.5%

Property retrocession

-17.5%

Global direct and facultative

3. (再)保険会社は2025年9カ月間で長期平均を上回る収益性を維持

(再)保険バリューチェーン全体で、引き続き高いパフォーマンスが維持されています。2025年には、過去最大級の保険損害の一つであるロサンゼルスの山火事が発生しましたが、それにもかかわらず、保険会社・再保険会社ともに資本コストを上回る収益を確保しました。

Source: Source: Howden, NOVA

4. 2026年から2030年にかけて成長が期待される分野

2026年から2030年にかけて、いくつかの分野は損害保険(P&C)市場全体を上回る成長が見込まれています。現在の市場サイクルにおいては、引受の高度化やイノベーションを通じて新たな機会を創出できる企業が優位に立つと考えられます。特に、サイバー、再生可能エネルギー、データセンター建設といった分野では、投資拡大とともにリスク移転ニーズの高まりが続いています。

Source: Source: Howden, NOVA

2026年:リ・バランスの年

2024年に長期化したハードマーケットを経て料率のピークを越えた後、市場は軟化局面に入り、変動の大きい事業環境の中で、リスクとリターンのバランスを再構築する段階に入っています。

ただし、その動きはすべての保険種目で一様ではありません。需給バランスの違い、ロス動向への感応度、マクロ経済要因の影響などにより、種目ごとに異なる市場環境が形成されています。また、世界的なリスク水準の高まりも、現在のサイクルを特徴づける要素となっています。

こうした状況を踏まえると、再保険市場は2026年を迎えるにあたり、全体として良好なポジションにあると言えます。

実際、バリューチェーン全体で見ても市場環境は引き続き良好です。多くの分野で供給が需要を上回る中、保険購入者は料率低下や条件改善の恩恵を受けており、一方で市場全体のパフォーマンスも堅調で、健全な利益水準と資本収益率が維持されています。

その一方で、料率の低下や競争激化により、トップライン(保険料収入)の成長は達成しにくい局面に入っています。これは、従来型の引受だけでは成長が難しくなりつつあることを意味しており、新たなリスク領域への対応やイノベーションを通じて、新しいリスクプールを開拓する必要性が一層高まっていることを示しています。

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1.1.26 report cover

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